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■テーマ「10年後の地域像」

逆手塾代表・抱きしめて笑湖ハイヅカ実行委員長 宮崎文隆

 

★過疎の人口問題は、視点を変えて挑戦

中国5県の人口は、現在757万人であるが、10年後には47万人減少する予測がある。少子・高齢化の結果でもある人口減少が、「限界集落」という言葉を生み出した。その言葉の響きは一層過疎地域を暗くしている。限界集落とは、社会学者の大野晃氏が作った学術用語で「65歳以上の人口が半分を超え、高齢化で集落の自治機能が急速に低下し、社会的共同生活の維持が困難な状況にある集落」と定義づけている言葉である。現在、中山間地域には「限界集落」が増加している。10年後には「限界集落」の一部は、「消滅集落」へと変わっているだろう。
そこで、島根県中山間地域研究センターの、人口予測の資料をみてみよう。旧庄原市(限界集落や中山間地域の参考となる)の人口の将来予測を紹介したものである。現在、1000人当たり各1組の子連れ(30歳代前半夫婦が4歳以下の子供連れ)+20代前半夫婦+定年退職夫婦を毎年流入増加(Uタ―ン・Iターン)すれば、10年後若年層の厚みが加わり、次世代の担い手が見える形になる。小中学生の数も長期的に定常化出来るというのである。今この組み合わせのUターン・Iターンを本気になって実現すれば、10年後の人口をそんなに悲観することはないという、将来予測の資料なのである。Uターン・Iターンを促進することが、地域の生き残り、活性化にこれほど重要なポイントになっているとは、ほとんどの人が認識していない。そこで、提案なのであるが、広島県の県北の田舎で40年間レクリエーション養成講座を続けて、数多くの結婚の演出や、Uターン・Iターンを仕掛けてきた実績のある「県北レクリエーション協会」があるので、行政や、任意団体が「Uターン・Iターン・婚活研修会」等の依頼をして、新しい発想で一点突破を図ってみたらどうか?
この10年間で、限界集落から消滅集落へ行くのか、輝き集落への道をたどるのか、今手を打てば、輝く将来を迎えることが出来る。

 

★中山間地の暮らしをサポートする移動販売

ある日突然、市民病院の閉鎖が発表されることが、あなたの町でも起こりますよ。「21世紀、県民と健康とくらしを考える会」は、今地域医療が危ない!と警笛をならしている。私たちに一番身近な、安全・安心が脅かされて来ている。
中山間地域の人々の暮らしはどうか、浜田市弥栄自治区の、ある農家の一人暮らしの女性の高齢者が、育てている野菜や草花、樹木を調べたら、何と116種類あったという。
何と素晴らしい自然環境の中で、豊かな暮らしではないかと感動する。
しかし、過疎地域や限界集落や、一人暮らしの高齢者へのサポートは必要である。サポートの例として、「過疎地域への移動販売」はどうであろうか?但し移動販売は、物を売るだけではなくて、御用聞きの要素が大切である。困っていることを聞いて解決する役割を担うのである。ここからが逆手流であるが、その地域の高齢者から買えるものを、一緒に考えて創りだして買うのである。販売もするが、地域からも買う移動販売なのである。限界集落・過疎地域・高齢者等の輝くところを見つけて引き出す。そして、現地の人の「役立ち感」を、創意工夫していくことが大切である。マザー・テレサは「人間にとって最大の不幸は必要とされないことです」と言っている。移動販売は、現地担当のスタッフのコミュニケーション能力を磨いて始めれば、中山間地域の暮らしに、明るさを取り戻す切り札になることが出来る。

 

★兼業農業と福祉とのジョイントが救世主に

中山間地域は、小さな集落が点在しているので、大規模農業には適さない地形的条件がある。小規模農業では、兼業農家の道を選択することになる。色々な兼業が考えられるが、中山間地域では福祉とのジョイントが、10年先には大きく花開くと考えている。その考えのキッカケは、「マチづくり型福祉」への挑戦を続けてきた「社会福祉法人・総領福祉会」とのお付き合いから得た情報からである。
都会から田舎へ来て農業をやりたい人が増えてきているが、農業だけでは経済が成り立たないために、多くの人が田舎で住むことを断念してきた。そこで福祉の仕事を、兼業とする機会を提供するのである。「マチづくり型福祉」の発想の中に「ソフトケア」という考えがあって、福祉施設は、大規模を小規模に。単機能を多機能に。障害も種別も問わず、子供たちの支援も。やわらかな発想で何でもありのケアや、かかわりを実践していくとある。施設を利用する人の為の「ソフトケア」の説明であるが、何とこの「ソフトケア」の発想は、施設に働く人にも取り入れられているので、都会から来る人、また福祉の仕事の経験がない人にも、やる気と能力(その人の持ち味)があれば働くチャンスを提供することが出来るのである。もちろん、定年退職で、農業を始める人にも、この考え方は適用出来るのである。
都会でいきづまって来ている福祉事業を、この10年間で、地方・中山間地域にシフトしていくことが、「コンクリートから人間へ」と同じように「都会の福祉砂漠から田舎の福祉オアシスへ」の流れになる。そして兼業農業と福祉のジョイントは、地域の救世主になることができる。

 

★「もてなし力」が地域活性化の力になる

10年後には、尾道松江線が開通していることから、四国と松江間の交流人口は、現在より増えているだろう。その流れは、四国から松江なのか、松江から四国へ流れなのか、それとも中間地の三次市、庄原市への流れなのかは、今からのそれぞれの市や町の「もてなし力」によって決まってくる。
小さな営みであるが、ユニークなもてなしを試みているところがある。それは、広島県庄原市総領町木屋地区の癒香の杜(ゆうこうのもり)で行なわれている「笑湖(エコ)アーチスト市」である。総領町の木屋は、過疎の町である。過疎の町へわざわざ足を運んでいただくには「もてなし力」が必要になる。「笑湖アーチスト市」は、それぞれの持ち味を持ったアーチスト達が、手づくり衆団「夢たまご」を立ち上げて、今もてなしの企画として「世界一の夢提灯」づくりをしている。牛乳パックから、A―4の紙3000枚を手で漉いて紙づくりを進めている。参加者は1枚1000円で購入して、自分の夢を描いて、提灯の上に貼って3000人の想いを集めて「世界一の夢提灯」をつくるのである。名もないアーチスト達であるが、この「もてなし力」が地域活性化の力になっていくのである。

 

★2020年夏期「平和五輪」は、全人類のために実現させなければならない

2020年の五輪は、開催地を決定する投票をしないで、開催場所が決定する画期的なものにしなければならない。それを実現させるには世界の国々の人々が、2020年は何があろうとも、地球全人類の悲願の「平和五輪」を最優先しよう、というコンセンサスを確立しなければならない。
その為には、平和を望む総ての人間・マスコミ、そして平和の大切さを伝えることの出来る、総てのモノを動員して「平和五輪」の持つ意義と素晴らしさを訴えなければならない。
何故なら、「平和五輪」が核兵器廃絶を実現させる、最も有効な手段だからであり、核兵器廃絶が実現しない限り、世界に真の平和は訪れないからである。
核兵器廃絶を進めるには、広島の原爆資料館を視ていただき、被爆経験者の語り部の話を聞いていただくことが、一番説得力がある。だから世界各国からあらゆる関係の人に、多く広島を訪れてもらえる「平和五輪」開催は、絶対に実現しなければならないのである。

 

★志民の大胆な挑戦が感動を呼び、地域の誇りを生み出す

「抱きしめて笑湖ハイヅカ」のイベントを2年間活動する中で、経験したことを通して、10年後の地域像、中国地方の望ましい姿を展望してみたい。
「抱きしめて笑湖ハイヅカ」とは、三次市三良坂町にあるハイヅカダムの、三次市と庄原市にまたがるハイヅカ湖の周囲30㎞を、人と人が手をつないで囲み、一つの輪をつくって、ハイヅカ湖を3万人の人で抱きしめようというイベントのことである。今年2010年の5月4日の、中山間地域が一番輝いている、みどりの日に、志民(市民)が過疎の地域活性化を図る為に挑戦するイベントである。「市民」から「志民」へなろう。市民が行政のイベントに参加することから、志民のイベントに行政が参加する地域像を、このイベントは、展望して実践している。
「志民」とは、高い志を掲げ、その実現のために持ち味を発揮して、喜んで人のため社会のために汗を流す人たちのことである。
このイベントを経験していく中で掴んだことは、①ないものねだりから脱却し、あるもの磨きをすれば、地域の輝くものが見えてくること。②「面白がればなんだって面白い」の合言葉は、参加者をプラス発想にしていくこと。③過疎地からでも「手をのばせば世界へつながる」ということ。④「回っているコマは、絶対に倒れない」ということ。
10年先の中国地方の地域は、予想するものではなくて、10年先のあるべき姿を計画し、今その実現の為に志民が、種を蒔くチャレンジをすることである。「チャレンジなくて何が志民だ!」志民よ翼を広げよう。
志民の大胆な挑戦が、感動を呼び、そして笑顔が溢れた時、地域に誇りを生み出すことができる。この誇りが10年後の地域を創る。

 

 

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